2007年に改修されネーミングライツでNACK5スタジアム大宮になりました。今も昔も選手が声を掛け合い相手と駆け引きする様が観客に伝わってくるサッカー専用スタジアムです。スタンドが大きすぎることもなくどの座席でも生観戦の迫力を味わえます。
この記事の最後には大宮公園全体の壮大な将来像(グランドデザイン)についても載せています。
住所 | 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町4 |
アクセス | 大宮駅(JR東北本線)から徒歩25分 大宮公園駅(東武アーバンパークライン)から徒歩15分 |
ぶら旅メモ | 買い出しするなら大宮駅東口から歩いて途中の繁華街で 隣接する大宮公園の駐車場は広くて無料 |
関連リンク | Nack5スタジアム大宮公式サイト |
(回顧)改修前は素晴らしかったけどボロかった
改修前ではなく今の観戦環境を知りたい人は次章のNack5スタジアム大宮へどうぞ
昔からスタンドの目の前がピッチでした
バックスタンドは10列ほどしかありませんでしたが、最前列は手を伸ばすとスローインの選手に届きそうに思える位にピッチに近かった。
選手のスピードを上げていくドリブル、目の前で上がるロングパスとボールの奪い合い、迫力が直に伝わってきました。
メインスタンドも同様で観戦すると一発でサッカーに嵌まる素晴らしい環境でした。実際嵌まって他のスタジアムに観に行くとがっかりする位でした。
昔のサイドスタンドは悲惨
一方、サイドスタンドはピッチに近いのはその通りだけど、座席はなく申し訳程度に段差のついたコンクリートの上で立ち見をするので前の人が邪魔で残念ながらとても見辛い。
スタンド後方の通路は土で雨の日にはベチャベチャぐちゃぐちゃで出入りする時に滑って転ばないように歩くのに苦労する有様でした。
なお、サイドスタンド後方は両方とも桜並木になっていて、春は桜が咲き誇る中で観戦し応援する楽しみがありました。今は高さのあるサイドスタンドになってしまったので場内から桜は見れません。
ボロいのは歴史があるから
メインとバックは観やすいけどスタンド自体はボロボロでした。でも1960年に国内初のサッカー専用スタジアムとして設置された埼玉県が誇る先駆的施設なんですよ。古いからボロいのは仕方がないと皆我慢してました。
電光掲示板は点数しか表示できないタイプで、選手名表示はアウェイ側サイドスタンドの後方に板を立てて名前を書いた紙を貼り付けていました。
たまに剥がれてペロッとなったりして。のどがでした。ともかく古いから仕方がない。
バレー、安藤、奥野、川島と往年のアルディージャオールスターが揃った選手表示板の写真を1枚載せておきます。
そんな素晴らしい観戦環境だけど空いていました
昔のアルディージャは何故か人気がありませんでした。キックオフした後に会場に着いても座るところをいくらでも選べました。
その昔の大宮といえば、バレーの独走独走さらに独走からのあさって方向へのシュート!とか、川島がボールに対して瞬発力のある抜群の反応をしながらも間抜けに失点するとか、相手の油断を誘うべくダルそうなプレーを見せる安藤正裕とか、観ていて楽しめる味のある選手がいましたがスタンドは空いていました。
当時アルディージャはJ2で浦和レッズの陰の存在だったからですが、適度に空いているところも含めて観戦するのが本当に楽しく思い出に残るスタジアムでした。
(現在)NACK5スタジアム大宮になっても最高の観戦環境
観客席とピッチがともかく近い。バックスタンドがおすすめ
2007年の改修は古いスタンドを取り壊して同じ位置にスタンドが設置し直しました。メインとバックは敷地に余裕がなくほぼ同じ大きさのスタンドに置き換えられただけですが、サイドスタンドは大幅に後方に拡がりつつ高い位置まで座席がびっしりと設置されました。
その結果、メインとバックはピッチサイドまでスタンドが接近して選手の熱いプレーを肌で感じられるままで維持されて、サイドスタンドはしっかり座って応援できるサッカー専用スタジアムになりました。
観戦のおすすめは改修後もバックスタンド。本当に目と鼻の先で選手がスローインします。目の前でスピードのある攻防が繰り広げられ、臨場感満載で目が離せません。
タッチラインを切ったボールが普通にスタンドに飛び込んでくるのでその点でもよそ見できません。なお、アルディージャの人気上昇に対してバックスタンドの座席数は少ないままなので出遅れるとチケットが売り切れて買えません。
メインスタンドは一段高いところから俯瞰。当然ピッチに近い
メインスタンドもバックスタンド同様に目の前にサイドラインがあり、下にベンチがある分だけ全体的に高さがあり、臨場感を持ちつつ視野広くピッチ上の展開を見渡せます。
試合開始と試合終了時はすぐ前で選手が挨拶します。
プロの迫力あるプレーを目前で観たい!そんな想いに存分に応えるスタンドです。
サイドスタンドも観やすいが少し慣れた人向け
サイドスタンドももちろんピッチに近く、正面からこちらに選手が突破してきたりロングパスが通ったりすると激しく盛り上がります。
ちょっと座席回りが窮屈なのとプレーが前後に展開して平面的に感じると思うので、初観戦でサッカーの興奮を味わいたいならバックかメインでの観戦をおすすめします。
飾り気のないコンコース
サッカーを魅せることに特化したスタジアムなので豪華さや飾り気とは無縁です。
コンコースも出入りする機能だけ考えられていて売店スペースも最小限です。
と言いつつ、公式サイトにグルメマップが載っているのでスタグルも楽しんでください。
大宮アルディージャのチケット情報
大宮アルディージャといえばバックはNTTで莫大な資金力を有しつつも手堅いチーム運営をしますが、それがチケット料金設定にも現れています。
チケットが売れそうな相手との試合は各座席ともレギュラー料金より500円高いプレミアム料金が設定されます。実に手堅い。2022年のプレミアム料金対象はアルビ、ヴァンフォーレ、ベガルタ、横浜FC、モンテディオ...ん?...山形と何か因縁でもあるのか。
2022年の大人前売り価格を載せておきます。載せたのはレギュラー価格の方です。席割図は大宮アルディージャ公式サイトにあります。
- メインスタンド:中央のメインS指定席5600円、両脇のメインSA指定席4300円
- バックスタンド:中央のバックS指定席4600円、両脇のバックSA自由席3600円
- サイドスタンド:ホーム、ビジターともに2800円
アクセス情報
おすすめは大宮駅東口から繁華街を抜けて歩く
徒歩ルートは、大宮駅東口に出て大宮ラクーン(ドンキホーテが入るビル)の横の細い路地を抜け、一の宮通りを歩いて武蔵一宮である氷川神社の参道に出る。参道を進み境内入口手前で参道右に道に逸れて道なりに進めばスタジアム。大宮駅から徒歩で25分程。
東武アーバンパークライン大宮公園駅からは距離は短いがつまらない
大宮駅付近の繁華街はもういいやという方、千葉茨城方面から東武野田線で来る方は東武の大宮公園駅がスタジアムの本当の最寄駅で徒歩15分の距離になります。
でもちょっと道がわかりづらいし、やっぱり大宮駅から歩くのがおすすめ。
買い出しは一の宮通りに入る前までに適当に
大宮駅から徒歩ルートの一の宮通りから先は落ち着いた住宅街になるので、その手前で買い出ししましょう。思いっきり繁華街で店はたくさんあります。
大規模なショッピングスポットは大宮ラクーン。ドンキホーテ、ブックオフがテナントとして入っています。早めについた時の時間つぶしにどうぞ。よしもと劇場もあるし。
寄り道情報
武蔵一宮氷川神社
大宮駅からの徒歩ルートに氷川神社があります。参道から拝殿まで進み勝利祈願してスタジアムに向かえます。全国の氷川神社の本宮であり武蔵国の一宮でもあり格調高い立派な境内でしばし佇むのも気持ちいいです。
埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)と鉄道博物館
大宮駅には新交通システムニューシャトルが乗り入れています。東北・北陸・上越新幹線と併走しつつ北上し伊奈町の内宿駅まで延びています。話のネタに乗るのもありです。乗ると別に普通って感じですけどね。
ニューシャトルに1駅だけ乗って鉄道博物館駅で降りて鉄道博物館に寄ると、広い敷地に実物車両、ジオラマ、シミュレーターと視点を変えたアトラクションが並び、鉄道好きでなくても楽しめます。
大宮競輪
サッカー場に隣接して大宮公園野球場があり、その向こう側に大宮競輪場があります。バンクや特観席の状況を下の記事にまとめています。
埼玉スタジアム2002(さいたま市のもう一つのサッカー専用スタジアム)
さいたま市にはワールドカップに合わせて建設された巨大なサッカー専用スタジアム、埼玉スタジアム2002があります。2002という数字まで含めて正式名称になります。
6万人を超える観客を収納可能でそれなりに観やすく盛り上がれるスタジアムです。
最寄駅は埼玉高速鉄道の浦和美園駅ですが、浦和レッズの試合は浦和駅からシャトルバスで行けます。
熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(大宮アルディージャのもう一つのホーム)
大宮アルディージャは熊谷スポーツ文化公園の陸上競技場で年に数回ホームゲームを開催します。
このスタジアムは悪く言えば閑散としている、良くいえば落ち着いている雰囲気の中で試合観戦できます。大宮公園サッカー場と比べて迫力は大きく劣りますが広々のんびりと試合を観ていられます。
大宮公園グランドデザイン
将来に向けた壮大な夢
大宮公園は1885年(明治18年)に県営公園として造られたのがはじまりです。
以来100年を余裕で越えて憩いの場やスポーツの拠点として機能してきましたが、2019年、埼玉県が音頭を取って大宮公園全体の未来の姿をグランドデザインとしてまとめ上げました。
その中でNack5スタジアム大宮は解体されることになっています。
...って、マジで?
驚きの話ですがどうも大マジのようで、大宮駅に近い氷川神社のある第一公園部分はサッカー場、野球場、競輪場を取り壊して森と水辺を中心とするレクリエーションスペースとし、各種スポーツ施設を統合した新しい形のスポーツ施設を街から離れた第二公園部分に新しく設置するとか。
目的は氷川神社に静寂を取り戻してそのエリア全体を落ち着いた住民のくつろぎの場とする、集客施設は少し離しておいて人の動線を延ばして賑わうエリアを拡大するといった感じです。
なかなか考えましたね。
大宮公園サッカー場の取り壊しは決まっていません
寄りによってこのサッカー場を取り壊すとかサッカー観戦好きには衝撃的な話ですが、グランドデザインは段階的に実現を目指すことになっていて、現在のスポーツ施設を維持しながら検討が詰められていくので実は取り壊される時期は全く未定です。
グランドデザインを作ったメンバーにはサッカーや野球の関係者、競輪のJKAは入っていません。これから先の検討でこれら関係者がサポーターやファンの声を背負って調整に臨むはずでひどい話にはならないと思います。
【追記】大宮公園グランドデザイン検討委員会には大宮アルディージャで2016年まで社長をされていた鈴木茂さんが参画していました。お詫びして訂正します。
利害関係者の意見も取り込んでいるグランドデザイン、引き続き進展に注目ですね。
しかしまぁ統合した形のスポーツ施設ってどんなの?と疑問が沸きます。サッカー場と野球場の統合は札幌ドームの例があるけど競輪場まで合体できるかなぁ。
コメント
「グランドデザインを作ったメンバーにはサッカーや野球の関係者、競輪のJKAは入っていません。」
ということですが、ゲルシさんこと元アルディージャ 社長の鈴木茂さんがグランドデザイン企画者に名前を連ねられていますよ。
鈴木茂さんは、元埼玉県サッカー協会の会長も歴任されている方です。
ご指摘ありがとうございます。リサーチ不足ですみません。記事に訂正の追記をしました。